はらをのサッカーブログ

FCバルセロナを中心にサッカー関係の駄文を投稿していきます。

FCバルセロナ 私的通信簿 2020-21

いつオフシーズンに入ったと思ってんの?今まで何してたの?そう一瞬でも思ったそこのあなた。言いたいことは分かります。この記事をアップするまでにアグエロも、エメルソンもチームに加わりました。エリックガルシアも帰ってきたし、クーマンの続投も発表されました。それどころか新ユニフォームまで発表されました。

 

ですが、クーマンの続投が発表された。そこが重要なのです。彼の去就が決まるまで書くわけにはいかなかった。遅くなってしまったのはそういうことなのです。去年は書いてないしもういいかな…と葛藤していたわけではございません。ご理解いただけましたね?ついでに言っておくと、通信簿と言いつつ具体的な成績は一切書いてありませんのであしからず。

 

 

 

Goalkeepers 

1.Marc-Andre Ter Stegen

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最後尾の司令塔にして不動の守護神は負傷により出遅れ。しかしどうにもうまくチームが回らず、カンプノウでのアトレティコ戦で復活すると、その後は1試合に1回ペースでパラドンを繰り出し、ファイヤーフォーメーションで焼け野原となったDFラインの火消しを続けることに。さらにボール保持ではビルドアップが詰まった時の突破口となり、ロングボールのターゲットがいない中でグラウンダーの縦パスを何本も差し込んだ。しかしシーズン終盤には膝の負傷が再発してしまい、最終節を前にチームを離れることとなってしまう残念な結末に。今度こそしっかりと負傷を癒し、万全の砦として君臨する日を待とう。

 

 

13.Norberto Murara Neto

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シュテーゲンの負傷によってクーマンバルサの初陣を飾ったものの、序盤戦は芳しくない結果となってしまった。ただし、クーマンの4231は433のピボーテを削ってトップ下を投入したようなシステムであり、本人のシュートストップは素晴らしかったということは覚えておきたい点である。しかしビルドアップの面では拙さもあり、ピケとの連携ミスから失点した試合があわやリーグ戦ラストゲームとなってしまうところだった。最終節はクリーンシートで追われて何よりでした。来季はたぶんいない、というかこのクラスの選手をずっと座らせておくのは勿体ない。新天地での躍動に期待します。

 

 

Defenders 

2.Sergino Destf:id:harawo_cule:20210531142822j:image

アヤックスからやってきたニューカマーはまずまずの活躍を見せてくれた。狭いスペースでのプレーを苦にしない点やドリブル突破を狙う姿勢はダニエウ・アウヴェスを彷彿とさせ、バルセロニスタの希望となった。NEXTアウヴェスへの渇望は並大抵のものではないのです。しかし、スペースの認知と活用という点ではセルジロベルトに遅れを取るなど1年目の若手らしさもあり。また体格が大きいとは言えず、馬力のある相手には攻守両面で苦労する場面が多くみられた。身体作りも含めて今後が楽しみな選手である。顔はなんとなく恐竜っぽい。

 

 

3.Gerard Pique 

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ヘディングを決め、エンブレムを握り締め、カメラに向かって吠えた。今シーズン最もアイコニックなシーンと言っても過言ではないだろう。あわや敗退の危機からチームを救い、守備面でも格の違いを見せつける出色のパフォーマンスを披露するまでには多くの困難があった。あれはアトレティコとの試合だったか、不運な接触により膝に大怪我を負うことに。画面を眺めているこちらからでも「コレは駄目だ」と分かるようなシーンだった。しかし彼は諦めなかった。確実だが時間のかかる手術という選択をせず、保存療法による治療を選択。復帰後の鬼気迫る働きは引退を覚悟しているかのようで、頼もしいと同時に悲壮感さえ感じられた。シーズン唯一のタイトルを大きく引き寄せたゴールを決めたのは、その男だったのだ。あの喜びは、全てのクレの記憶に残り続けるだろう。

 

 

4.Ronald Federico Araujo

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正直なところ、バルベルデに好まれていると知った時はどうしてなのか分からなかった。それどころか、放出しても問題ないのではないかと思ってさえいた。それが間違いだったことは、彼のパフォーマンスを一度でも見たことがある人なら分かるはずである。とにかく速い。そして強い。周囲を鼓舞するエネルギーもあり、体を投げ出すことを厭わない。細かいことはできないが、それを踏まえてなお起用したくなる圧倒的な働きだった。シーズン後半には縦パスを突き刺すには至らずとも、ドライブで相手の守備をずらすことに成功するなど苦手な事に取り組む姿勢も好印象。怪我の多さだけが不満であり不安。

 

 

15.Clement Lenglet
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神の怒りを買って呪いをかけられたのか、そう思ってしまうほどに不幸なシーズンを送った。元からカードは多いほうだったが、今シーズンは謎の肘打ち判定で退場、ラモスを引っ張ったところで超常現象を発動させてPK献上、不運なオウンゴール、PSG戦でイカルディの足を踏んでPK献上と大失速。特に身体能力が高いわけではないので、ハイラインだとどうしても際どいシーンを作られてしまう。そうなると頭がいっぱいいっぱいになってしまうのか、明らかに無理目なタイミングでスライディングをかますなど判断が狂うことも時々あった。自分がここで止めなくても何とかなる、という安心感があれば普通にやれるはずなので巻き返しに期待。

 

 

18.Jordi Alba f:id:harawo_cule:20210531142322j:image
見てください、SBとは思えないアクロバティックなこのシュート。スアレスが去り際に秘訣を伝授してくれたのか、今シーズンはいくつものビューティフルゴールをゲットした。SBからWBに立ち位置が変わることでより背後を気にせずに攻め上がれるようになり、メッシとのコンビネーションは冴え渡るばかり。抗議でカードを貰いまくるところも含めて「らしさ全開」のシーズンとなった。ボールコントロールの質や攻守両面のランニングのうまさなど褒める点はたくさんあるが、欠点が分かりやすいのでそこに目が行きがちな選手。でももうちょっと闘将っぽくなってくれたら嬉しいな。

 

 

20.Sergi Roberto 

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カンテラ出身のマルチロールは、負傷ありコロナ感染ありの厳しいシーズンを送った。スペースの認知に長け、そこに入っていくタイミングも抜群。利用したい場所を敢えて空けておき、トップスピードで侵入することでパスを出す側も戸惑いがない。しかし、今シーズンは右ワイドではデストが輝きを示し、中盤ではデヨングがほぼ進化形のような働きぶり。メッシが居場所を中央に移し、相棒ラキティッチも移籍してしまったことで「彼でなければならない」と思える場面が減少してしまったのも確か。この立ち位置と年齢やサラリー、売却利益なども加味し、売却候補となっているのが現状である。とはいえチームのキャプテンの1人として、そしてアンス以前に定着した最後のカンテラーノとして、チーム内で果たしている役割は少なくないはず。減給交渉が拗れて移籍、みたいなことにはならないと予想。

 

23.Samuel Umtiti

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W杯優勝CBとしての威厳は雲散霧消。試合に出れば危なっかしいプレーが目立つ上に、シーズン序盤はそもそもコンディションが整わないこともしばしば。ラングレも安定感があったとは言えないが、そこで取って代わるどころか「それでもラングレしかいない」という事態を作り出してしまった。身体能力に優れ、前に潰しに行けるアグレッシブさはハイラインと噛み合うはずなのだが。あの時のウンティティが帰ってくる日は来るのだろうか。

 

 

24.Junior Firpo

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今年も飛躍を果たすことができず。少ない出場機会ながら得点に絡むシーンはあるのだが、本業のディフェンスやビルドアップが不安定ではどうしようもない。一か八かのシチュエーションで突っ込んでファールを貰うこともあり、このまま燻るなら放出した方が本人のためなのではなかろうか。そもそも大外レーンを上下動するタイプでもなさそう。高身長にスピードもあるという欲張り仕様なので、俺たちならうまく使えるんだというクラブがあれば是非。

 

 

28.Oscar Mingueza

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カタルーニャ生まれカタルーニャ育ち、小さな頃からバルサ一筋。されどBチームではレギュラーにはなれず、有望株として名前が上がることもない。そんな中で掴んだチャンスをミンゲサは逃さなかった。とにかく縦パスを潰せる。あれだけ前に強いと見ていて気持ちがいい。確かに、カラスコにいいようにやられていたように、明確に弱点といえるところも多い。だがしかし、しかしだ。シーズンが始まった時は誰も知らなかったような選手が、最終節を迎える頃にはレギュラーを張っている。これをロマンと言わずしてなんと言おうか。彼の姿に勇気付けられたカンテラーノは、きっと少なくないはずである。

 

 

Midfielders 

5.Sergio Busquets 

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道を見失ったときに帰ってくる場所。セルヒオ・ブスケツは、バルセロナにとってそのような存在である。思えば4231で戦っていたシーズン序盤。私たちが見ていたのは、サイドを猛然と駆け上がりクロスを供給するブスケツの姿だった。もちろんそれ以外のこともちゃんとやっていたが、それにしたってやっていいことと良くないことがある。現に、アンカーに収まってからはチームの核として完璧な仕事ぶりを見せ、なくてはならない存在へと返り咲いたのだから。つまり、バルセロナにおいてブスケツをサイドで疾走させるのは「やってはいけないこと」なのである。

 

 

8.Miralem Pjanic

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ローマは1日にしてならず。デヨングとコンビを組む2ボランチシステムで躍動したのも今は昔。いつのまにかとんと出番がなくなり、トリノへの郷愁は募るばかり。それでもバルサに残りたい、とコメントしてくれていたこともあったが、クーマンの続投が決まってしまってはもう移籍以外の道はないのではないだろうか。結局のところ、あのトレードを経て幸せになった者は誰もいないという悲しい結末になってしまいそう。

 

 

 12.Riqui Puig

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カンテラの至宝は開幕前から厳しいスタートを切ることになった。なんとクーマン直々にレンタル移籍を勧告され、その扱いは残留を決めた後も覆ることはなかった。プリメーラで安定した出場機会を得られていない中ここまで来てしまっており、このままでは変に尖った選手になってしまわないか心配である。クーマンがラポルタに何か言われたらしく、シーズン終盤になって唐突にプレータイムが急上昇した。来季はもう少し試合に出られるはず。

 

 

14.Philippe Coutinho 

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4231のトップ下を任され、来たぞ!コウチーニョの時代が!と思ったときもありました。アンスが負傷離脱し、サイドに回されたのがケチのつき始め。やっぱりウイングだとうまくいかないね、ということを再度確認したものの代わりに出す選手もおらず。そのまま怪我をしてしまってチームから離脱し、帰ってきたらペドリが中盤に君臨していた。その後はサイドで出ているうちに膝が悲鳴をあげてしまいシーズンエンド。バルセロナを去り、自らが攻撃の全権を掌握できるチームで自由を謳歌するのが一番なのではないだろうか。正直なところ、これ以上彼の浮かない顔を見続けたくないのである。

 

 

16.Pedro Gonzalez (Pedri)f:id:harawo_cule:20210531142933j:image

今となっては、誰だあいつは!クーマンのお気に入りか?と言われていたのが信じられない。そう思えるほどにチームの要となったシーズンだった。頭の回転が速く、ボールの扱いも完璧。その上守備に走り回れ、ボール奪取も余裕でこなすという化け物っぷりである。辛うじて可愛げを見いだせるとしたら、シュートを悉く外すという一点しかない。本当にそこしかない。アスパスからボールを奪い、そのままカウンターを発動させラストパスを供給する18歳。漫画の主人公にしたら「リアリティに欠ける」と炎上してしまいそうなスペックである。10年経ってもまだ28歳。僕たちはこれから10数年間、彼のプレーを楽しみ続けることができるのだ。幸運だという言葉ではとてもじゃないが言い表せない。

 

 

19.Matheus Fernandes 

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奇跡的にプレーしている写真を発見することができた。なんとなくシルエットがブスケツっぽかったことは覚えている。とにかくからっからになるまで干され続け、招集リストに入っていないこともしばしば。ここまでくると、クーマンが呼ぶかどうかを花占いか何かで決めていてもそこまでの驚きはない。来季はいないと思うのだが、いかんせん稼働していなさすぎてオファーが来るかも不明。キャリアに空白の2年間を作るのは勘弁してあげてください。

 

 

21.Frenkie De Jong 

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俺がお前を一番上手く使えるんだ!とばかりにダブルボランチの一角を託されるも、狭いスペースでは持ち前の推進力を発揮できずあえなく失敗。右のインテリオールで縦に大きくスライドし続ける形を見つけてからは、ボールの有無を問わずダイナミックさを存分に発揮してチームに欠かせない選手となった。メッシが開けたスペースに突撃し、ブスケツがいなくなればピボーテを務め、ピケがいないときにはCBもやってしまう万能ぶり。アヤックスさん、あと2,3人ぐらい隠してたりしませんか?バルサでは少ない無理が効く選手という意味でも欠かせない存在。

 

 

6.Carles Alena

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バルセロナの6番と聞いて、思い浮かぶのはやはりシャビの姿。そんな背番号を背負い、ベテランたちも退団し、いまこそチャンスを掴むときだ!と思っていたかは定かではないが、まさかヘタフェにレンタルされるとは。バルセロナではなかなか出番がなく、たまに出て良いパフォーマンスを披露しても待遇が改善されることはなかった。ならばとレンタル移籍を希望し、心機一転のはずだったヘタフェでもボルダラスの熱血闘魂サッカーを前にレギュラー獲得には至らず。バルサで成功してほしいのは変わらないが、クーマンの続投が決定した以上は難しいのかもしれない。 

 

 

27.Ilaix Moriba

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将来を嘱望されていた逸材はクーマンの心を掴み、シーズンの後半はインテリオールの3番手として途中出場を重ねた。恵まれた体格とそれに見合うだけの強度がお気に召したのだろうか。魔法の杖こそ持っていないが、物怖じせず周囲を見渡しながらボールを扱う姿勢は流石ラ・マシア出身といったところ。遠目からでもシュートを狙う積極性もあり、早くもトップチームで初ゴールを記録。このまま主力選手に成長していくために、これからも経験を積んでいくことになるだろう。そこで交代するのが同い年のペドリだということに認識を狂わされそうになるが、彼らはまだ18歳の若者なのである。使い潰すようなことはしたくない。

 

 

Forwards 

7.Antoine Griezmann 

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シュート以外の動きは完璧。シーズン序盤のグリーズマンはそんな感じだった。右サイドで孤立しながらも走り回り、守備では広いスペースを埋め、トップにいるメッシが降りればそのスペースに飛び込む。シュートチャンスまでは素晴らしいのに、何故かゴールにボールを入れられない時間が続いた。しかし、広い範囲を動き回れるようになってからは水を得た魚のように躍動し、崩しにも効果的に絡むことができるように。コパデルレイ準々決勝のグラナダ戦、2点ビハインドからゴールとアシストでチームを救い、最終的に4点に絡む大活躍を見せてくれたことは忘れられない。チームの歯車となりつつゴラッソも決められるのが素晴らしいのだが、メッシがいない方が輝くのもまた事実なのが難しいところではある。

 

 

9.Martin Braithwaite 

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スアレスの背番号9を引き継ぐのがこの男だということを、いったい誰が予想できただろうか。試合に出ようが出まいが文句を言わず、常にプロフェッショナルとして振る舞う姿は若手が多いこのチームにとってプラスになったはず。前線で体を張れるストライカーが彼以外におらず、攻撃の目先を変えるためにも役立つ存在だった。実はコパデルレイ準決勝、セビージャとの2ndレグで勝負を決めたのはこの人のゴールである。今シーズンは念願だったチャンピオンズリーグの舞台に立つことができたのだが、実はCLアウェイのゴール数ではバルサ時代のスアレスを上回ったという噂も。アグエロが来たことで残留の可能性は激減したが、応援したくなるいい選手だったことは覚えておきたい。

 

 

10.Lionel Messi 

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メッシは神ではなく人間だった。突如として叩きつけられた離縁状は、それを知るきっかけとなるにはあまりに十分すぎた。世界最高のサッカー選手がチームにいること。毎週彼のプレーを楽しみにできること。俺たちのエースは最強なんだと誇り、共に栄光を掴む日の再来を信じて疑わなかった人々にとって、その知らせは絶望そのものだった。メッシがピッチの向こう側に立つことを、自分たちと違う色のシャツをその身に纏うことを、そんなのゲームの中だけだと笑い飛ばすことはもうできない。この1年間を彼がバルセロナで過ごしたのは、本当に奇跡のような出来事だったのだから。バルセロナに残ってくれたこと。相変わらずの異次元なプレーでチームを引っ張ってくれたこと。トロフィーを掲げる姿を見られたこと。その全てが得難い幸福だということを、知らない者はもういない。そんなシーズンでさえ、彼は数々の名場面を創造し、新たな発見を与えてくれた。その中でもとびきり重要なものはきっとこれだろう。メッシは神ではなく1人の人間で、誰よりもバルセロナを愛している。

 

 

11.Ousmane Dembele f:id:harawo_cule:20210531171028j:image

今年のデンベレは一味違う。その謳い文句に何度騙されたことか。それはもはやテンプレートを超え、毎年の風物詩ですらある。余りある才気も発揮できなければ全くの無意味。だがしかし、今回こそはもう言ってもいいのではないだろうか。「今年のデンベレは一味違った」と。44試合に出場し、プレータイムは2700分ほど。大きな負傷は12月にハムストリングを痛めたぐらい。突如として守備のためにプレスバックを行うようになり、セビージャとの連戦ではCF起用で結果を出した。求められたことを愚直にこなす姿は、フィーリングでプレーしているように見えたこれまでとは違うものだった。とはいえ、4シーズン目にしてそこを褒めるというのは少し悲しいものがある。昇給しろというのはちょっと無理な話。 

 

 

17.Francisco Trincao f:id:harawo_cule:20210531171058j:image

クーマンは彼を相当気に入っていたはず。14節までは全ての試合に送り出され、初年度ながら42試合に出場。しかし、惜しいシュートを何度も放つもののネットを揺らすことができず、初ゴールは22節のベティス戦までお預けとなった。試合終了間際に突き刺した決勝弾はその週のベストゴールにも選ばれ、次節アラベス戦でも2得点。ここから上昇気流に乗れれば、という流れだったのだが、3バックへの変更によりとんと出番がなくなった。恵まれた体躯を生かしてアグレッシブに動き回れるようになればかなり良くなるはず。レンタルで逞しくなって帰ってくるのが1番かも。

 

 

22.Anssumane Fatif:id:harawo_cule:20210612010426j:image

開幕から主力として活躍した新星は、10試合で5得点4アシストと上々のスタートを切った。クラシコでもチーム唯一のゴールを記録し、これは両方とも2桁に乗せてくるな、とワクワクしていたのは自分だけではなかったはず。その希望が打ち砕かれたのは9節のベティス戦。背後からスライディングタックルを受け、倒れ込んだアンスの状態を確認したスタッフはプレー続行が可能だと判断。実際にそれから15分ほどプレーを続け、ハーフタイムにメッシと交代。それが今シーズンのラストマッチとなってしまった。なかなか回復が進まずやきもきしたが、プレシーズンには復帰できそうという報道が。復活が楽しみで仕方がない。

 

 

Coaching Staff 

 Ronald Koeman f:id:harawo_cule:20210531171247j:image

完膚なきまでに打ちのめされ、おまけに主力選手を何人も放出したバルセロナ。そのチームを率いるのは並大抵のことではなかっただろう。4231はアンスの負傷とともに機能しなくなり、無冠どころかCL出場権を心配した時期もあった。クラシコでは破れかぶれというほかないバンザイアタックを繰り出し、その後も「勝つべき所で勝てない」という呪いは続いた。それでも、ペドリを筆頭に若手選手を躊躇なく抜擢し、チームの土台を築きながら戦ってきた功績は賞賛されて然るべきだろう。そして、いくつもの窮地を乗り越えて掴み取ったコパデルレイのタイトル。劇的な逆転劇、一度敗れた相手へのリベンジ。チームの進撃は痛快な冒険譚となり、その終わりには歓喜の瞬間が待っていた。たかがカップ戦だと言われようとも、あのトロフィーを掲げたときの喜びは紛れもなく本物だった。終わりよければ全て良し、というわけにはいかなかったが、彼にできることは全てやってくれたのではないだろうか。続投が決定するまでの過程は決して良いものではなかったが、決まったからには応援するのみである。

 

 

 

 

 

 

 

フロレンティーノ・ペレスの語るスーパーリーグ

いやー、衝撃的でしたね。突如として降って湧いてきたスーパーリーグ構想。情報も洪水で何が何だかわかりません。とりあえすどういうもんなのかみてやろう、ということで、スーパーリーグの会長を務めることになる(らしい)、マドリーの現会長、フロレンティーノ・ペレスの発言をまとめてみました。

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と言っても、Here we go ! でお馴染みのFabrizio Romano さんのツイート群をまとめただけなんですけどね。Google翻訳丸出しの日本語訳ですが良ければどうぞ。

 

Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) | Twitter

ご本人のアカウントはこちら

 

The Super League

スーパーリーグのオフィシャルサイト

 

Florentino Perez to El Chiringuito: 

Many important clubs in Spain, Italy and UK want to find a solution to a very bad financial situation. The only way is to play more competitive games. If instead of playing the CL, Super League helps the clubs to recover the lost earnings.

 

スペイン、イタリア、英国の多くの重要なクラブは、非常に悪化した財政状況の解決策を見つけたいと考えています。唯一の方法は、より競争力のあるゲームをプレイすることです。CLをプレイする代わりにスーパーリーグに参加すれば、クラブが失った収益を回復させるのに役立ちます。

 

 

 

Here at Real Madrid we've lost a lot of money, we are all going through a very bad situation. When there is no profit, the only way is to play more competitive games during the week. The SuperLeague will save the clubs financially.

 

ここレアル・マドリードでは多くのお金を失い、私たちは皆非常によくない状況に陥っています。利益が生まれないなら、唯一の方法はその週にもっと競争力のあるゲームをプレイすることです。スーパーリーグはクラブを財政的な面で救うでしょう。

 

 

 

Football must evolve like everything in life. Football has to adapt to the times we live in now. Football is losing interest, TV rights are decreasing. We wanted to do the SuperLeague, the pandemic has given us urgency: now we are all ruined in football.

 

人生においてすべてがそうであるように、フットボールは進化し、私たちが現在過ごしている時代に適応しなければなりません。フットボールは人々の興味を失い、テレビの放映権は減少しています。私たちがスーパーリーグを実施したいと考えていたところに、パンデミックは緊急性を与えました。今、私たちのフットボールは台無しにされています。

 

 

 

Football needs to change to be more attractive globally. Instead of making the Champions League because it lost interest as he had in 1950, change comes and even at the time FIFA and UEFA were against it. But that's how football changed...

 

世界的にもっと魅力的になるために、フットボールは変化する必要があります。1950年のように、関心が失われたためにチャンピオンズリーグを作る代わりに、変化が起こり、FIFAUEFAがそれに反対したときでさえ。しかし、そうやってフットボールは変化してきました。

 

 

 

The attractive thing in football is playing between big clubs, the value for television increases and more income is generated. It's not just the rich who want the SuperLeague, we're doing it to save football because it's at a critical moment.

 

フットボールの魅力とは、大きなクラブ同士で行われる試合のことです。そうすればテレビの価値が高まり、さらに収入が生み出されます。金持ちだけがスーパーリーグを求めているわけではありません。私達は決定的な瞬間に差し掛かっています。そのため私たちは、フットボールを救うためにスーパーリーグを行おうとしています。

 

 

 

It will become like a pyramid because we big clubs will have more money and we will be able to invest it by buying players... if the big clubs lose their money as is happening, the whole football system crashes as with the Champions League.

 

私たちビッグクラブはより多くのお金を持ち、プレーヤーを買うことで投資できるのようになるため、スーパーリーグはピラミッドのようになります。現在起こっているようにビッグクラブが資金を失うと、チャンピオンズリーグと同じようにフットボールのシステム全体がクラッシュします。

 

 

 

The SuperLeague is NOT a closed league, it's absolutely not true. Whoever wins the five available spots will be able to play with the other best teams in the world.

 

スーパーリーグは閉鎖的なリーグではなく、そのような報道は絶対的に間違っています。開かれた5枠を獲得すれば誰でも、世界の他の最高のチームとプレーすることができます。

 

 

 

We will speak to UEFA, as we said in the statement. We have to discuss with UEFA the 5 spots available in the SuperLeague. UEFA has been working on the new format of the UCL, but I honestly don't understand it. We want to save football.

 

声明で述べたように、私達はUEFAと話し合うでしょう。スーパーリーグの開かれた5つの出場枠について、UEFAと話し合わなければなりません 。 UEFAはUCLの新しいフォーマットに取り組んでいますが、私は正直なところそれを理解していません。私達はサッカーを救いたいのです。

 

 

 

UEFA is a monopoly but it needs to be more transparent. We want to save football for the next 20 years, it is in a time of serious danger. If you win, you receive €120 to € 130m from UEFA but with SuperLeague we will earn much more.

 

UEFAは独占的ですが、彼らは透明性を高める必要があります。私達は、深刻な危機に瀕している今後20年間のフットボールを救いたいのです。もしあなたが試合にも勝てば、 UEFAから€120mから130mを受け取れますが、スーパーリーグで私たちはもっと多くの資金を稼ぐでしょう。

 

 

 

Players banned from international competitions and National teams according to UEFA? Don't worry, this will NOT happen. They won't be banned if they join SuperLeague.

 

UEFAによって選手の国際大会や代表チームへの出場が禁止されるか?心配しないでください。そんなことは起こりません。スーパーリーグに参加しても、選手の代表活動への参加は禁止されません。

 

 

 

Real Madrid, Manchester City and Chelsea as the other clubs of SuperLeague will NOT be banned from the Champions League or domestic leagues. 100%, I'm sure. Impossible.

 

レアル・マドリードマンチェスター・シティチェルシーは、スーパーリーグの他のクラブとしてチャンピオンズリーグや国内リーグから追放されることはありません。 私は100%確信しています。そんなことは不可能です。

 

 

 

also confirmed that Real Madrid, Chelsea and Manchester City as Manchester United and Arsenal will NOT be suspended by the Champions League and Europa League semi finals. Impossibile, I can assure that. 100%. Seguro!

 

マンチェスター・ユナイテッドアーセナルレアル・マドリードチェルシーマンチェスター・シティチャンピオンズリーグヨーロッパリーグの準決勝から出場資格を停止されないことを確認しました。 不可能です。私はそれを100%保証できます。確実に!

 

 

 

Even in the Premier League, if the top clubs are economically stronger, all the other clubs will also become stronger. It is a consequence. We want to dialogue with UEFA as we proposed in the SuperLeague, we want to save football.

 

プレミアリーグでも、トップクラブが経済的に強大になれば、他のすべてのクラブも強くなるでしょう。それが結果です。我々は、スーパーリーグで提案したUEFAとの対話を望んでいます。私達はフットボールを救いたいのです。

 

 

 

PSG were NOT invited, as of today. We haven't even spoken to German clubs. We are now 12 clubs, we want to become 15 clubs. If PSG and Bayern Munich refuse, the SuperLeague competition will not be canceled. This is a bullshit.

 

PSGは今日の時点では招待されていません。私達はドイツのクラブとも話をしていません。私達は現在12クラブですが、15のクラブになりたいと思っています。PSGとバイエルン・ミュンヘンが拒否した場合でも、スーパーリーグコンペティションは中止されません。そんな話はでたらめです。

 

 

 

President Ceferin insulted Andrea Agnelli today, it is not possible. It's crazy to discuss a president of a world club like Juventus. This is something unacceptable, UEFA must change, we don't want a president who insults other presidents.

 

今日、UEFAのセフェリン会長がアンドレア・アニェッリを侮辱しました。そんなことがあってはなりません。ユベントスのような世界的なクラブの会長について話し合うのはクレイジーなことです。こんなことは容認できません。UEFAは変わらなければなりません。私達は他の会長を侮辱するような会長を求めていません。

 

 

The 15 founding clubs are the ones that matter the most in terms of entertainment. Others likes of Napoli, Roma will have a chance to be in the competition one year or another and then let's see.


15の創設クラブはエンターテインメントの観点から最も重要なクラブです。ナポリやローマのような他のクラブは1年、もしくは何年か後に大会に参加するチャンスがあります。どうなるか見てみましょう。

 

 


This SuperLeague is not for the rich, but it's to save football. If this continues, football will disappear and by 2024 we would already be dead. This is the only way to save everyone: big, medium and small clubs.

 

スーパーリーグは金持ちのためのものではありません。それはサッカーを救うためのものです。もしこのような状況が続けば、フットボールは消え、2024年までに私たちは死に絶えているでしょう。このスーパーリーグが、大、中、小のクラブのすべての人を救う唯一の方法です。

 

 

 

Boris Johnson said he will do everything to cancel the SuperLeague because they explained to him that the Premier League would disappear: it's false, it's not true. Everything will go back to normal.

 

ボリス・ジョンソン英首相がスーパーリーグを中止させるためにあらゆることをするだろうと言ったのは、プレミアリーグが消滅するだろうと説明されたからです。それは誤りですあり、真実ではありません。すべてが正常に戻っていくでしょう。

 

 

 

Real Madrid and other SuperLeague clubs will NOT be excluded from this 2020/2021 Champions League. It won't happen, the law protects us. This is impossible.

 

レアル・マドリードと他のスーパーリーグのクラブは、この2020/2021シーズンのチャンピオンズリーグから除外されることはありません。そのようなことは起こらず、法律は私たちを保護してくれます。そのようなことはあり得ません。

 

 

 

The new Champions League format for 2024 is something absurd. I have no personal interest in making this SuperLeague, I am not the owner of Real but only the president because Real is owned by the members. I only want to save football.

 

2024年の新しいチャンピオンズリーグのフォーマットはばかげています。私はスーパーリーグを作ることに個人的な興味はありません。レアル・マドリ―はソシオのものであり、私は社長ではなく会長でしかありません。私はただフットボールを救いたいだけなのです。

 

 

 

Barcelona are going through a difficult economic situation, Laporta immediately understood and accepted like all the great clubs in the world. This SuperLeague will save the entire world of football.

 

バルセロナは難しい経済状況に陥っています。ラポルタは世界中のすべての素晴らしいクラブたちのように、すぐにこの構想を理解し、受け入れました。スーパーリーグは全てのフットボールの世界を救うことになるでしょう。

 

 

 

We have not invited PSG yet, we're gonna talk with many clubs and explicate them about the SuperLeague project. If Bayern refuses to join it won't cancel, don't worry. We also will hire some of the best referees in the world.

 

私たちはまだPSGを招待していません。多くのクラブと話し合い、スーパーリーグについて説明するつもりです。バイエルンが参加を拒否してもキャンセルされませんので、ご安心ください。また、世界で最高の審判を雇う予定です。

 

 

 

The contract of the SuperLeague is binding. Nobody can leave, we will work all together. All the clubs signed the contracts last Saturday, there's no problem.

 

スーパーリーグの契約には拘束力があります。誰も去ることはできません。私たちはともに働くことになるでしょう。すべてのクラブが先週の土曜日に、問題なく契約に署名しました。

 

 

 

Why aren't UEFA and La Liga salaries public? Why haven't salaries been reduced like everyone else during the pandemic? We need more transparency. We know the salary of LeBron James but we don’t know the salary of the UEFA president.

 

どうしてUEFAとリーガの給与は公開されないのでしょう?パンデミッが起こった時に、他の人々と同じように給与が減らされなかったのはなぜですか?私たちはさらなる透明性を必要としています。私たちはレブロン・ジェームズの給与は知っているのに、UEFAの会長のそれは知らないのです。

 

 

 

If we can start the SuperLeague in August, we would do it. We will do our best to start this year. We want to reach an agreement with UEFA and the other parties involved. We will talk with UEFA, FIFA and not only.

 

8月にスーパーリーグを開始することができるようになれば、私たちは行動に移す準備があります。今年から開始できるように全力を尽くすことでしょう。 私たちはUEFAやその他の関係者と合意に達したいと考えています。 私たちが話をするのはUEFAFIFAだけではありません。

 

 

 

If we can't find an agreement with UEFA, we will NOT back down. If they want to wait for 2024 to make the reform, they can wait. We're not waiting for anyone because we need the SuperLeague.

 

UEFAとの合意に至らなかった場合でも、私たちが後戻りすることはありません。彼らが改革を行うために2024年を待ちたいのなら、そうしても構いません。私たちはスーパーリーグを必要としており、それが誰であれ待ってあげるようなことはできません。

 

 

 

If young people find football matches too long it may be because they are not interesting enough... or maybe we might have to make the football matches shorter.

 

もし、若者がサッカーの試合が長すぎると感じるのなら、それは彼らが十分に面白いと感じていないからかもしれません...あるいは、もしかするとサッカーの試合時間を短縮しなければならないのかもしれません。

 

 

 

The fans always ask me to buy Mbappé. My answer? I say: don't worry... the truth is that he is a good player, yes. I've never talked to Mbappé. At least now... (laughs). I don't know what's going to happen to his contract with PSG.

 

ファンはいつも私にこう言います。エンバぺを買え、とね。私の答え?心配しなくてもいい、ですね。私はエンバペと話したことがありません。少なくとも今は…(笑)。彼とPSGとの間の契約に何が起きているかは知りませんよ。

 

 

 

 

 

 

スーパーリーグについては以上でした、残りの発言はレアル・マドリーの会長としての、チームについてのものだったので割愛します。興味のある人はRomanoさんのツイートを遡ってみてください。

クラシコが終わった。シーズンは終わらない

エル・クラシコでシーズンダブル。こんなにおぞましい響きを持った言葉があるんだろうか。もちろん、2試合やってんだから1試合ぐらい勝とうよ!だとかそんな能天気な話をしたいわけではない。クラシコがその程度のものなら、前日どころかその前の日の夜から盛り上がり、午前4時に起きて試合を見守るような酔狂な真似をする人はいないはずだ。

 

 

 

 

消化不良感が否めない試合であったことは確かだと思う。カンプ・ノウでの試合では厳しい判定でのPKを決められ、あとはひたすらFWを投入し突撃するチームを眺めているしかなかった。3点どころか5点ぐらい決められていてもおかしくなかったんじゃないか?と思えるような試合運びをしたのは事実だが、あのPKが無ければ!と思いたくなる試合でもあったのもまた事実。だがしかし、立ち上がりに簡単に左サイドを崩され、そのまま簡単に失点したこともまた事実なのだ。。そしてその悪癖は、マドリーのホームでの試合でも顔を覗かせた。

 

 

 

 

開幕からチームは大きく変わった。会長が変わり、システムが変わり、バルセロナはかつてのバルセロナではなくなった。そのはずだけれど、その一方でプレーしている選手は同じ。そんなことを思い起こさせる失点だった。

 

 

 

 

では、左サイドを守り続けているジョルディ・アルバをメンバーから外せばいいのか?そんな単純な問題ではない。アルバのランニングはチームで1番の必殺技になっているし、現に今回のクラシコでの唯一の得点はメッシと彼の連携から生まれている。彼がDFである以上、軽い対応がクローズアップされるのは仕方ないのかもしれないのだけれど。

 

 

 

 

ならば、2失点目に絡んでしまったセルジーニョ・デストを糾弾するべきか?それもなにか違うように感じる。まだ20歳だからというわけではないけれど、ああなってしまうのはチーム全体の雰囲気に問題があったのではないか、と思ってしまうのだ。例えば、後ろでプジョルが睨みを効かせている時に若手DFがあんな飛び方をするだろうか?むしろ顔面にぶつけてでも止めに行くんじゃないだろうか?

 

 

 

 

ベストを尽くしチャレンジした結果なら、敗北しても不完全燃焼感を覚えることはない、と言うことはとてもできそうもない。エル・クラシコで負けたという実感は、いい戦いをしたからといって晴れるものではないはずだから。試合に負けたのは誰のせいだ?と探してしまうのも、この大きな失望感をどうにかして晴らしたいという気持ちの表れなんだろう。

 

 

 

この失望を癒すには、勝ち続けることが一番の薬のはずだと僕は思う。目の前の試合に勝ち、アトレティコとの直接対決に勝ち、脇目も振らずに突き進むしかない。マドリーが勝ち点を落とそうと、ジダンの魔法で勝ち続けようと、バルセロナにできることはそれだけである。

 

 

 

 

切り替えよう、と言うは易し。ここまでが破竹の勢いだっただけに、ダメージはしばらく残るかもしれない。けれど、この悔しさを原動力にして得られるものもあるはずだ。トロフィーを掲げることは1番の良薬であり、少しだけ遠のいたリーガ優勝に向けた弾みになるだろう。何より、同じ相手に二度も負けるような経験はもうしたくない。

 

 

 

 

まずはアスレティックとの決戦を制しよう。そのために応援し続けよう。決勝で復讐を果たし、リーガのタイトルに挑戦し、シーズンが終わった後に笑えるように。その後でメッシの契約延長が決まるのなら、それほど嬉しいことはない。

 

 

 

 

 

 

 

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ドラフト会議が笑えない

バルサの経営がヤバいらしい。僕には企業経営についての知識なんてないし、もちろんクラブ運営についてもほとんど知らない。だが、そんな極東に住むど素人にも何となく危険な状態だということはわかる。そもそも #FCバルセロナドラフト会議 なんてものが流布している時点で何かがおかしい。何もないのにこんなものがトレンド入りするはずがないのだ。

これらのツイートが意味するところは

  1. バルサは11億7300万ユーロもの債務を抱えており、破産の危機に瀕している
  2. そのうち7億3000万ユーロは短期債務であり、2億6600万ユーロを6/30までに支払う必要がある
  3. その中にはコウチーニョ獲得での4000万ユーロ、デヨング獲得での4800万ユーロの負債が含まれている
  4. 現在クラブに所属するネト、ジュニオル、トリンカオ、マテウスだけでなく既にクラブを去ったデニススアレス、マウコム、アルトゥール、ビダルベティスと共同保有の形をとっているエメルソンらを獲得した際の支払いを終えておらず、約7000万ユーロの負債がある

ということらしい。どう考えても健全な経営状況ではない、というか一文目にいきなり破産の危機という文字がある時点でおかしい。前に獲得した選手の移籍金を払い切っていないのに新しく選手を連れてくるのは明らかにやりすぎである。

 

新型コロナウイルスによる危機がなければこんなことにはならなかった、という主張もあるかもしれない。例えばあの眼鏡をかけた長身の男。あえて誰とは言わないが、彼ならそんなことを言うだろう。そうに決まっている。むしろ選手たちの給料を削減したことを誇るかもしれない。

 

だがちょっと待ってほしい。確かに無観客試合その他諸々による減収はある。確実にどのクラブもダメージを受けている。だがしかし、この状況は1年足らずで出来上がるようなかわいらしいものではない。白いライバルチームのお株を奪うかのような数々の大型補強を経て、このクラブには一体何が残ったのだろう。

 

と、このまま前会長への恨みつらみを書き散らしていってもいいのだけれど、それではあまりに不毛で生産性がない。だいいち、自らあの顔を思い浮かべながら時間を過ごすようなこと自体が間違っている。ということで、ここからは選手を売却していくことでどれくらいの現金が得られるのかを考えていくことにする。あくまで仮定の話であり、誰も欠けることなくシーズンを終えられればそれが一番という前提の下で進めていくのであしからず。

 

現在の市場価値、移籍金、契約年数、年齢の順。カンテラーノは移籍金なし。データは全てTransfer Marketから。

 

 

GK

1.Marc-Andre ter Stegen

f:id:harawo_cule:20210126162944j:image€75.00M(€12.00m)-2025 age:28

 

替えの効かない守護神にしてビルドアップの要。絶対売っちゃダメ

 

 

 

 

13.Neto

f:id:harawo_cule:20210126163312j:image€10.00M(€26.00m)-2023 age:31

 

放出候補。というかスタンドに座らせておくのは勿体ない。新天地を見つけてほしい

 

 

 

 

CB

3.Gerard Pique

f:id:harawo_cule:20210126163409j:image€12.00M-2024 age:33

 

残留してほしい。彼のリーダーシップに助けられる場面は必ず来るはずなので

 

 

 

 

4.Ronald Araujo

f:id:harawo_cule:20210126163648j:image€20.00M-2023 age:21

 

今後10年以上DFラインを率いて貰わなければならない。絶対売っちゃダメ

 

 

 

 

15.Clement Lenglet

f:id:harawo_cule:20210126182208j:image€40.00M(€35.90m)-2026 age:25

 

最近は粗が目立つものの退団の優先順位は低い。破格のオファーが来たら考えてもいいと思うけど

 

 

 

 

23.Samuel Umtiti

f:id:harawo_cule:20210126164134j:image€10.00M(€25.00m)-2023 age:26

 

放出候補その②。この稼働率で主力を任せるのは厳しい。まだ20代半ばなので新天地で再出発を目指してほしい

 

 

 

 

28.Oscar Mingueza

f:id:harawo_cule:20210126164749j:image€5.00M-2021 age:21

 

SBもできる守備のユーティリティーとしてどこまで行けるか。カンテラ出身で闘争心もある。チームに1人いると助かる選手

 

 

 

 

SB

2.Sergino Dest

f:id:harawo_cule:20210126164817j:image€25.00M(21.00m)-2025 age:20

 

最近は疲れてるものの、1年目にしてはかなりやれている部類のはず。引き続きアウヴェスへの道を歩んでくれ

 

 

 

 

18.Jordi Alba

f:id:harawo_cule:20210126164841j:image€25.00M-2024 age:31

 

批判されることも多いが、この人がいないと攻撃が回らないことも多々ある。代替候補もおらず、放出は避けたい

 

 

 

 

20.Sergi Roberto 

f:id:harawo_cule:20210126181716j:image€25.00M-2022 age:28

 

SBと中盤をこなせるユーティリティー性は大きな武器。後輩たちの良きお手本としても頑張ってほしい

 

 

 

 

24.Junior Firpo

f:id:harawo_cule:20210126181720j:image€10.00M(18.00m)-2024 age:24

 

放出候補その③。いいものを持っていることは分かるんだけど、いかんせんアルバと比べられるときつい。新天地で自信を取り戻せば飛躍できるかも

 

 

 

 

CMF

5.SergioBusquets

f:id:harawo_cule:20210126165257j:image€10.00M-2023 age:32

 

困ったときにそばにいる、それがブスケツ。システム変更を重ね迷走した結果、結局は彼をアンカーとした433に落ち着いたことからも重要さが分かる

 

 

 

 

8.Miralem Pjanic

f:id:harawo_cule:20210126170144j:image€40.00M(60.00m)-2024 age:30

 

1アンカーを採用してから出番は数えるほど。ブスケツのいないチームに行けばまた、心臓として手足となる選手たちを操れるはず

 

 

 

 

12.Riqui Puig

f:id:harawo_cule:20210126165323j:image€18.00M-2023 age:21

 

バルセロナ一筋のカンテラの星。リーガ初得点を決めたのは喜ばしいが、今後数試合の扱いによってはレンタルを検討すべきかもしれない。完全移籍はNG

 

 

 

 

16.Pedri

f:id:harawo_cule:20210126165406j:image€50.00M(8.00m)-2022 age:18

 

バルセロナだけでなく、リーガ全体で見ても大きなサプライズとなったクーマンの愛弟子。絶対売っちゃダメ

 

 

 

 

19.Matheus Fernandes 

f:id:harawo_cule:20210126182035j:image€2.00M(7.00m)-2025 age:22

 

リーガの日程を半分消費してもイマイチよくわからない人。新天地で頑張ってほしい

 

 

 

21.Frenkie de Jong

f:id:harawo_cule:20210126165503j:image€65.00M(86.00m)-2026 age:23

 

今季は得点にも絡み始めた将来のチームの要。ほんと何でもできるな君。当然売っちゃダメ

 

 

 

 

AMF

 

7.Antoine Griezmann 

f:id:harawo_cule:20210126165704j:image€60.00M(120.00m)-2024 age:29

 

輝きだしたことは素晴らしい。ただし、年俸と移籍金を考えるともうちょっとシュートが入ってもいいと思うんだ

 

 

 

10.Lionel Messi

f:id:harawo_cule:20210126165813j:image€80.00M-2021 age:33

 

放出の是非を問うのも馬鹿らしい。これ以上チームの犠牲にならなくていい人なのは確かだけど、最後に見るのが空っぽのカンプノウなんてことになれば悲しいよなぁ

 

 

 

 

14.Philippe Coutinho 

f:id:harawo_cule:20210126165913j:image€50.00M(€145.00m)-2023 age:28

 

悲しいけれど、バルセロナに君の居場所はない。スペインで苦しむ顔ではなく、新天地でチームの中心として輝く笑顔が見たい

 

 

 

FW

9.Martin Braithwaite

f:id:harawo_cule:20210126165956j:image€9.00M(18.00m)-2024 age:29

 

実は現スカッドで彼にしかできないことが結構ある。年俸も安く、3トップのどこにでも配置でき、おまけに出場が少なくても真摯に練習に取り組んでくれる。スカッドにいて損はない

 

 

 

11.Ousmane Dembele

f:id:harawo_cule:20210126170016j:image€50.00M(130.00m)-2022 age:23

 

特大のポテンシャルを発揮する時を待ち続けた甲斐があったのか、それともくたびれ儲けで終わるのかの瀬戸際に来ている。ここからフェードアウトしていくなら、体に合うリーグに移ったほうが本人のため

 

 

 

 

17.Trincao

f:id:harawo_cule:20210126170042j:image€25M(31.00m)-2025 age:21

 

まだ若いのも分かる。初年度の難しさも分かる。成長していってくれるならそれでいい。ただし、大事な試合で得点したマウコムが一瞬で切り捨てられたことは覚えておいてほしい

 

 

 

 

22.Ansu Fati

f:id:harawo_cule:20210126170140j:image€80.00M-2022 age:18

 

言わずと知れたバルサの希望。売っていいなんて考える者がいたらまずそいつをフロントから排除するべき

 

 

 

 

 

バケツの穴は埋まるのか

とりあえずメッシが残る前提で考えることにする。ちなみに全選手を市場価格そのままで売ると約8億ユーロになり、負債は全額返済できない。

 

今のところ出場機会が少ない選手たちを軒並み売却すると1億2200万ユーロになる。実際は足元を見られそうなのでもっと少なくなる可能性は高いけれど。ブライスワイトとトリンカオを追加すると3500万、デンベレだと5000万、グリーズマンだと6000万ユーロが更に得られることになる。

 

これらのことを考えると、選手の売却によって少なくとも6/30までに支払うべき費用は捻出できそうである。冬の移籍で誰かを放出したり、ここから更に年俸のカットを選手たちが了承した場合はそこの予算も浮くことになる。そうすれば更に多くの負債を返済できるというわけだ。

 

もっと簡単な方法もある。それはズバリ、カンテラーノを売却して利益を上げること。そう、例のあいつが得意としていた手法である。もっとも、その結果がこれなわけなのでお勧めはしない。未来を切り売りしていった先に、クラブの将来が開けるわけがないのである。

 

 

 

 

 

 

バルサはエリック・ガルシアを獲得するべきか【考察】

お久しぶりです!CLのグループリーグが終了して少し時間が経ち、ベスト16で対戦するのはPSGに決まりましたね。ネイマール、エムバぺを筆頭に強烈なアタッカーを揃えている昨年のファイナリストに対し、果たしてバルセロナはどう戦うのでしょうか。

 

 

 

ということで、今回は彼らと対峙することになるであろう我らがCB達について書いていきたいと思います。このポジションについてはたびたび補強の噂が、というかエリック・ガルシアを獲得するという噂が流れてきております。

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彼はバルセロナカンテラ出身の選手で、海外移籍が可能になったタイミングでシティに引き抜かれた逸材です。ピケの後継者として未来を嘱望されていたらしいですが、一度はバルサを離れることを選んだ選手だということになります。そんな彼は今シーズン限りだったシティとの契約を延長せず、一貫してバルサ復帰を目指し続けています。つまり、夏まで待てばコスト0で獲得できるということです。もちろんこの冬に獲得しても安くは上がるのですが、本当にいま彼を(または他のCBを)獲得する必要があるのでしょうか?それも金欠に喘ぎ、選手たちに年俸カットを頼み込んでいる中で?

 

 

 

それを確かめるため、まずは現状の戦力を整理したいと思います。とはいえクーマンのやり方の中で1番か2番目に割りを食っているポジションなので、ポカとかやっててもある程度大目に見るスタンスで臨むことにしましょう。ファンダイクとデリフトを並べたときみたいな戦闘力をみんなに求められても困るのです。

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では行きましょう、と言いたいところですが少し待ってください。最近見つけた木村浩嗣さんの記事でとても良い用語を見つけたので、これを読んでくださっている優しい皆さんにもお教えしておきたいと思います。その単語とは「コントゥンデンテ」(contundente)です。木村さん曰く

育成世代からプロまで、スペインでCBを評価する際に最も使われる形容詞が、『コントゥンデンテ』(contundente)である。「あのCBはcontundenteだ」というふうに使われる。(中略)CBを形容する場合、contundenteとは少々乱暴に言えば「肉体的にも精神的にも強靭である」ことを指す。肉体的な強靭さとは、背が高く胸板が厚く腕力も脚力もあること。精神的な強靭さとは、逆境に強いとかネバーギブアップとかそういうことではなく(いずれもCBに必要だが)、思い切りの良さ、迷いのなさを指す。

ということなので、これからはCBの形容をするときにはバンバン使っていきましょう!「あいつはコントゥンデンテなCBだな」とか言えたら何かかっこいいですしね!

 

 

時代に取り残される!? 「守備に徹する」CBの存在意義 | footballista | フットボリスタ

木村さんの記事はこちらから。当たり前ですが勉強になりますので、ぜひ目を通してみてくださいね!でも、読み耽るあまりこちらを忘れたりはしないでください!

 

では改めて。さあ、行きましょう!

 

 

 

 

3. Gerard Pique 

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 1987/2/2生まれ 右利き 194cm 85kg 🇪🇸

 

チーム屈指の長身にして絶対的なDFリーダー。バイエルンにコテンパンにのされた後に唯一インタビューに応じるなど、ピッチ内外でリーダーシップを取れる選手です。空中戦では絶対的な強さを誇り、弱点である加速の遅さを感じさせない立ち回りを見せるクレバーさも併せ持っています。ボールを持ち上がるタイミングやビルドアップへの関わり方なども素晴らしく、攻守両面でチームの要となっている選手でした。

 

しかし、彼はアトレティコ戦で負傷してしまい長期離脱中。復帰は来年4月ごろになる予定で、手術には踏み切らず保存療法による治療に励んでいます。試合を見に来ている姿もよくカメラに抜かれていますね。かなり大きな怪我だったので心配ですが、どうにか復活して欲しいです。大量リードの中で調子に乗ってゴール前にダッシュするピケ、執拗に裏への抜け出しを試みるピケ、そしてサイドの若手を困惑させるピケを早く見せてくれ。僕にはそれで笑っているぐらいが丁度いいのです。

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芸術点が高すぎる

 

 

 

 

 

4.Ronald Araujo

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1999/3/7生まれ 右利き 188cm 79kg 🇺🇾

 

今シーズンのサプライズ①。ウルグアイ人CBらしく対人に強く、カウンターでの一騎駆けを許さないスピードを持つモンスター。僕はウィキペディアに書いてあった191cm,91kgという体格を鵜呑みにしていたので、公式アプリで本当の身長体重を知ったときはちょっとがっかりしてしまいました。メディアリテラシーって大切ですね。

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冒頭に書いたように頻繁にボランチが上がるクーマン式4トップ2ボランチですが、それを続けながらも試合が成り立っているのは彼の活躍が大きいと思われます。まさにコントゥンデンテなCBで、至近距離フルスイングで放たれるシュートにも臆しません。チームの為に負傷を抱えたまま45分出場するなどの根性もあり、21歳ながら味方を鼓舞する熱さは画面の外側にいるこちらにも伝播してきます。現在はまだ拙いですが、安定してビルドアップに関われるようになれば完璧です。クーマンの無茶振りに応え続けた先に、もしかすると世界最高CBへの道があるのかも?

 

 

 

 

 

15.Clement Lenglet

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1995/6/7生まれ 左利き 186cm 81kg 🇫🇷

 

顔が良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけではもちろん終わりません。左足でボールを蹴れるというだけではない、ビルドアップを担える現代型のCBです。やっぱり左利きはこうでなくてはいけない。ボールをくいっと引くような柔らかいタッチで視野とパスコースを確保し、鋭い縦パスを差し込めます。グリーズマンの裏抜けに合わせてドンピシャのパスを出し、そのままゴールへ繋げた実績もあるほどです。

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セティエン政権終焉までは定位置をがっちりキープしていましたが、クーマン政権になってからは肘打ち判定で退場、ラモスを引っ張ってPK、がっつりハンドしてPKなど手に関係するやらかしが絶えません。もちろん厳しい判定も多いですが、印象が悪いのもまた事実。手枷をつけて練習すべきかはともかく、明らかに修正するべきポイントです。ですが、現在の守備の構造が非常にCBにとって過酷なものであることは考慮するべきでしょう。特に彼のようにフィジカルに強みを持たない選手の場合は尚更です。広いスペースとカバーエリア、高さ不足によるセットプレーの責任の増加などクーマン政権になってから負担が激増しています。ピケの負傷によるプレッシャーもあってここで止めなくては、という気持ちが逸ってしまっているのではないでしょうか。この推測が正しいのかは分かりませんが、どちらにせよここで終わって良い選手ではないはずです。捲土重来に期待!

 

 

 

 

 

23.Samuel Umtiti

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1993/11/14生まれ 左利き 182cm 75kg 🇫🇷

 

実はチームで1番体格の小さいCB。木村さんの記事にもありますが、ロシアW杯まではリーガでも随一のコントゥンデンテなCBでした。ですが最近は膝の負傷絡みでいつまでもコンディションが上がらず、主にスタンドの椅子を暖めることに。個人的にはこの状態がブラジルW杯後の内田篤人を彷彿とさせると思っています。内田曰く、大きな怪我をした膝はなかなかMAXの状態まで戻らないそうなのでかなり不安。このままフェードアウトしていかなければいいのですが。

 

逆に万全の状態に戻ることができれば、一気にスタメン筆頭に躍り出る実力を持っています。アラウホが出てくるまではチームで唯一の機動力のあるCBでしたし、ボール保持を基本とするバルセロナにおいて相手の縦パスを潰しに行ける彼の能力はマストに近いものです。そこで起点を作られてしまえばカウンターに持ち込まれ、全体の位置を下げなければいけませんからね。ちなみにピッチ外では持ち前の明るい性格で、ムードメーカーのような立場にいるようです。

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28.Oscar Mingueza

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1999/5/13生まれ 右利き 184cm 75kg 🇪🇸

 

今シーズンのサプライズ②。カタルーニャに生まれ、U-7カテゴリからここまで辿り着いた由緒正しきカンテラーノです。リキプッチと同い年とは思えない、ワイルドな風貌が特徴的ですね。なんだかあの人と似ているということには触れないでおきましょう。侍っぽくていいと思います、はい。現在はバルサBに所属していますが、相次ぐCBの負傷によりトップチームでプレーすることに。足技に自信がある一方で守備には難あり、というCBらしからぬ前評判だったのでハラハラしながら見ていたんですが、ところがどっこい。つい最近まで実質3部のセグンダBにいたとは思えない落ち着いたプレーぶりを披露してくれました。

 

カンテラーノらしく足元の技術は高く、ボールを持つことを恐れない現代的なCBです。意外と足が速く、果敢に前進してカットを狙えるのも素晴らしい。反面一対一でのアタッカーへの対応は流石に追いつかないことも。しかしプリメーラ1年目の21歳と考えればかなり完成度の高い選手なのではないでしょうか。ペナルティーエリア内でのパスミスという致命的なやらかしを見せたのも、焦って蹴らずに繋ごうとトライした産物と捉えれば腹も立ちません。若手DFは寛大に見守ることが大切ですからね。SBもできるらしいので、ナチョやアスピリクエタのような万能DFとして大成して欲しいものです。

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例のあの人

 

 

 

 

 

現在の序列

さて、僕がこの記事を書いているのは12月20日のリーガ第14節バレンシア戦の後になるわけですが、現在はちょうど序列が変わり始めたタイミングと言えるかもしれません。具体的にいうと、首位を走るレアル・ソシエダとの試合を含む2試合連続でアラウホとミンゲサがスターティングイレブンに名を連ねたのです。現在負傷しているためピケがどういう立ち位置に落ち着くのか曖昧ですが、万全の状態であるはずのラングレと久方ぶりに復活してきたウンティティは先を行かれた格好になってしまいました。

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もちろん若者が活躍しているのを見るのも嬉しいことですが、かといってフランス人2人もこのままではいけません。共に左利きということもあり、どちらかはスタメンに返り咲いてほしいというのが本当のところです。CBは相性が重要なので、チアゴシウバとダビドルイスだとかセルヒオラモスとヴァランのように「このコンビなら鉄板やで」みたいな展開になることもあり得ますしね。この4選手がしのぎを削りつつ、ピケがどっしり構えるみたいな布陣が理想的だといえるでしょう。クーマンが急に3バックをやりだすことも考えにくいですし。

 

 

 

 

 

エリック・ガルシアは必要なのか

というわけで、これまでの話を総合すると、エリック・ガルシアをこの冬に獲得する必要性は薄いと思われます。CBはいちおう足りていますし、監督がどうなるのかも分からない中で選手を獲得することは控えたほうがいいです。新監督が欲しいと言った選手を手に入れるためにも、そしてそもそもクラブの経営状態を守るためにも、この冬に彼を獲得することは見送るべきでしょう。夏まで待てば€0になる選手ですし、会長選後のドタバタの中で移籍金を値切るのも難しそうですからね。

 

 

 

 

 

ここまでが僕の意見です。いかがだったでしょうか?移籍関連については人によって色々な見方があると思うので、賛成の方も反対の方もぜひ意見をいただけると嬉しいです。この選手を獲得したらいいんじゃない?みたいな発案も!よろしくお願いします!

 

 

 

 

 

この記事はここまでです。最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

 


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※レギロン

 

この星は落としてはいけない

背番号10は、どのサッカーチームにおいても特別な番号だと言えるでしょう。なにしろエースナンバーであり、チームの顔となる選手が付けることがほとんどです。日本代表においても、「背番号10としての責任」などと語られていましたね。香川真司は10番を背負う重圧に苦しんでいるのではないか、みたいな話もありました。

 

その一方で、ある選手が背負ったが故に伝説となった背番号というものも存在します。有名なのはイングランドの名門マンチェスター・ユナイテッドのにおける背番号7です。グリーズマンベッカムに憧れて7番を付けているらしいですね。

 

そして我らがFCバルセロナにおいて重要な背番号とは?もちろん色々な意見があるでしょう。バルサには数々の名選手が在籍していましたから、背番号は全て伝統と格式のあるものと言うこともできます。しかし現在においてひとつ選ぶとすれば、それは1つしかないでしょう。そう、10番です。

 

現在10番を背負うのはご存知リオネル・メッシ。世界最高の選手として名高い彼の存在はもはや、いちサッカー選手という枠には収まりきらないものとなっています。

 

10番というのはもともと注目される番号ではありますが、バルセロナにおいてはその重みはとんでもないことになっているのです。果たしてこれを受け継ぐのは誰になるのだろう、というのは近年ずっと囁かれているトピックでした。

 

突如現れた新星

彼が登場したのはそんな時でした。19-20シーズン、バルベルデ監督の3年目。いつものようにデンベレが怪我をし、年齢を重ねてきたスアレスが怪我をし、珍しくメッシが怪我をし、と前線が野戦病院と化した中、なんとバルサBを飛び越してトップチームに昇格してきました。

 

不勉強なもので僕は彼を全く知らなかったのですが、デビュー以降その名前は強烈に脳に刻みつけられることに。そして、その体験をしたのは決して僕だけではないはずです。Anssumane Fati という名前は瞬く間に全世界に知れ渡ることとなりました。ゴールデンボーイでも2位にランクインしましたしね。彼ならば、メッシの背番号10を受け継ぐに足る選手となれるのではないか。そう思えるほどの逸材は、今シーズンも主力として活躍しています。ここまでにバルサが消化したリーガ7試合、CL3試合の計10試合すべてに出場し、プレータイムは900分のうち596分に及んでいます。バルベルデは常に左サイドで起用していましたが、クーマンが就任してからはCFとしての出場機会も多いです。そんな遍歴もメッシと似通っているかもしれませんね。

 

異質な存在として

アンスの選手としての特徴は、現在のバルセロナの中では特異なものといえます。まずはなんといってもオフザボールの秀逸さです。初ゴールはクロスを頭で合わせたものですし、メッシやコウチーニョの出したスルーパスに抜け出すシーンもよく見られました。この辺りはペップバルサウインガーダビド・ビジャに通じるものがあるように思えます。現在のバルセロナには2列目の選手が多いため、ストライカーとしてDFラインを引っ張ることもできる彼の存在は貴重です。

 

そして、ボールを受けた後のシュートも見事なものです。これまで驚異的なペースで得点を重ねており、「ゴールに近づくほどにプレー精度が上がっているのではないか」なんてことがまことしやかに囁かれていたりもするのですから相当なものです。これまでトップチームでは43試合に出場し13ゴール。アシストやPKの奪取も含めれば、ゴールへの関与数はさらに多くなるでしょう。実は178cmとそこそこ身長も大きく、トップチームでの初ゴールはヘディングで決めたものでした。

 

そして最後がドリブル。タッチライン際に開いての仕掛けから、カットインもあり縦突破からのクロスもあり。まるで障害物を軽やかに避けていくアメンボのように、滑るように相手DFの間をすり抜けていきます。彼はネイマールのように華麗なフェイントを連発するわけでもなく、クリスティアーノ・ロナウドのようにシザースを繰り返して相手のタイミングを外すわけでもありません。ですが対面したDFたちはやすやすと彼に翻弄され、抜き去られてしまうのです。

 

 

まだまだ続く軌跡

このように、これまでの彼の道のりは非常に素晴らしいものでした。まさにトントン拍子、順風満帆な船出だったと言えるでしょう。ですが11月8日、ベティスとの試合で後ろからのスライディングタックルを受けた彼は大きな怪我を負ってしまいました。診断結果は左膝の半月板損傷。離脱期間は4ヶ月ほどです。

 

この件で不可解だったのは、彼が30分にタックルを受けてから前半終了までプレーを続けていたことです。アラウホにも同じようなことがありましたが、このクラブのメディカルスタッフは何をやっているのか。試合中の選手はアドレナリンが出ているため、ある程度の痛みなら気にならないこともあります。特に若い選手の場合は「やれるか?」と聞かれたら「まだやれる」というに決まっているのですから、その逸る気持ちを抑えるのが大人の役割のはずです。

 

アンスはまだとても若い選手です。今から15年の月日が流れたとしても彼は33歳。現在のメッシと同じ年齢です。いま彼が、そしてクラブがやるべきことは一刻も早い復帰ではありません。この負傷が今後のキャリアに悪い影響を及ぼさないように、細心の注意を払って、完璧に傷を治すこと。それだけです。

 

幸い、アンスは素早く手術に踏み切りました。名医Ramon Cugat 氏によって行われた手術は無事に成功し、現在はリハビリへと向かっているようです。クレとしては彼のプレーをしばらく見られないのは残念ですが、いまはそれよりも身体を万全の状態にすることが第一です。いずれまた元気な、そしてよりパワーアップした姿を見せてくれることを気長に待つことにしましょう!

 

 

 

 

 

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

バルセロナの始まり

お久しぶりです!いよいよ新シーズンの開幕まで数時間となりましたね。皆さん、明朝にきちんと起きるための準備はできていますか?

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このシーズンオフにはスアレスラキティッチを筆頭にここ数年のバルセロナを築き上げてきた選手たちとの別れがありました。そして何と言ってもリオネル・メッシの移籍騒動!バルセロナの象徴が突如としてクラブに送った内容証明郵便は、彼の未来がこのクラブにないことの証左に他なりませんでした。

 

幸い(と表現するしかないのですが)メッシはチームへの残留を決意しました。そしてロナルド・クーマン監督の下で、チームは新しい船出を迎えようとしています。これからの1年間は、メッシのいるうちにメッシ依存からの脱却を図る最後のチャンスかもしれません。同時に、彼のこのクラブでの最後を飾る上で欠かせないもの、すなわちいくつものトロフィーを手に入れるために闘うべきシーズンでもあります。

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その上で、この開幕戦はチームの行方を占う試金石となります。対戦するのはウナイ・エメリの率いるビジャレアルバレンシアからコクラン、パレホを引き抜くなど思い切りの良い補強を敢行したほか、久保建英を迎え入れたことで日本での注目度は急上昇しているクラブです。

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CLを戦ったことで、バルセロナの開幕の時期は少し遅れています。ビジャレアルは既に数試合を消化していますから、コンディションの面ではあちらに分があるかもしれません。加えて、主軸の選手が抜け、戦術が大幅に変わった不安もあります。

 

ですが、我々はFCバルセロナです。そして舞台はカンプノウ。新たな船出を見届けるには最高の場所です。この初戦を勝利で飾り、勝ち点3を手にし、そして勝ち鬨を上げようではありませんか!

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それでは、午前4時にまた会いましょう!Forca Barca !