はらをのサッカーブログ

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バルサはエリック・ガルシアを獲得するべきか【考察】

お久しぶりです!CLのグループリーグが終了して少し時間が経ち、ベスト16で対戦するのはPSGに決まりましたね。ネイマール、エムバぺを筆頭に強烈なアタッカーを揃えている昨年のファイナリストに対し、果たしてバルセロナはどう戦うのでしょうか。

 

 

 

ということで、今回は彼らと対峙することになるであろう我らがCB達について書いていきたいと思います。このポジションについてはたびたび補強の噂が、というかエリック・ガルシアを獲得するという噂が流れてきております。

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彼はバルセロナカンテラ出身の選手で、海外移籍が可能になったタイミングでシティに引き抜かれた逸材です。ピケの後継者として未来を嘱望されていたらしいですが、一度はバルサを離れることを選んだ選手だということになります。そんな彼は今シーズン限りだったシティとの契約を延長せず、一貫してバルサ復帰を目指し続けています。つまり、夏まで待てばコスト0で獲得できるということです。もちろんこの冬に獲得しても安くは上がるのですが、本当にいま彼を(または他のCBを)獲得する必要があるのでしょうか?それも金欠に喘ぎ、選手たちに年俸カットを頼み込んでいる中で?

 

 

 

それを確かめるため、まずは現状の戦力を整理したいと思います。とはいえクーマンのやり方の中で1番か2番目に割りを食っているポジションなので、ポカとかやっててもある程度大目に見るスタンスで臨むことにしましょう。ファンダイクとデリフトを並べたときみたいな戦闘力をみんなに求められても困るのです。

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では行きましょう、と言いたいところですが少し待ってください。最近見つけた木村浩嗣さんの記事でとても良い用語を見つけたので、これを読んでくださっている優しい皆さんにもお教えしておきたいと思います。その単語とは「コントゥンデンテ」(contundente)です。木村さん曰く

育成世代からプロまで、スペインでCBを評価する際に最も使われる形容詞が、『コントゥンデンテ』(contundente)である。「あのCBはcontundenteだ」というふうに使われる。(中略)CBを形容する場合、contundenteとは少々乱暴に言えば「肉体的にも精神的にも強靭である」ことを指す。肉体的な強靭さとは、背が高く胸板が厚く腕力も脚力もあること。精神的な強靭さとは、逆境に強いとかネバーギブアップとかそういうことではなく(いずれもCBに必要だが)、思い切りの良さ、迷いのなさを指す。

ということなので、これからはCBの形容をするときにはバンバン使っていきましょう!「あいつはコントゥンデンテなCBだな」とか言えたら何かかっこいいですしね!

 

 

時代に取り残される!? 「守備に徹する」CBの存在意義 | footballista | フットボリスタ

木村さんの記事はこちらから。当たり前ですが勉強になりますので、ぜひ目を通してみてくださいね!でも、読み耽るあまりこちらを忘れたりはしないでください!

 

では改めて。さあ、行きましょう!

 

 

 

 

3. Gerard Pique 

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 1987/2/2生まれ 右利き 194cm 85kg 🇪🇸

 

チーム屈指の長身にして絶対的なDFリーダー。バイエルンにコテンパンにのされた後に唯一インタビューに応じるなど、ピッチ内外でリーダーシップを取れる選手です。空中戦では絶対的な強さを誇り、弱点である加速の遅さを感じさせない立ち回りを見せるクレバーさも併せ持っています。ボールを持ち上がるタイミングやビルドアップへの関わり方なども素晴らしく、攻守両面でチームの要となっている選手でした。

 

しかし、彼はアトレティコ戦で負傷してしまい長期離脱中。復帰は来年4月ごろになる予定で、手術には踏み切らず保存療法による治療に励んでいます。試合を見に来ている姿もよくカメラに抜かれていますね。かなり大きな怪我だったので心配ですが、どうにか復活して欲しいです。大量リードの中で調子に乗ってゴール前にダッシュするピケ、執拗に裏への抜け出しを試みるピケ、そしてサイドの若手を困惑させるピケを早く見せてくれ。僕にはそれで笑っているぐらいが丁度いいのです。

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芸術点が高すぎる

 

 

 

 

 

4.Ronald Araujo

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1999/3/7生まれ 右利き 188cm 79kg 🇺🇾

 

今シーズンのサプライズ①。ウルグアイ人CBらしく対人に強く、カウンターでの一騎駆けを許さないスピードを持つモンスター。僕はウィキペディアに書いてあった191cm,91kgという体格を鵜呑みにしていたので、公式アプリで本当の身長体重を知ったときはちょっとがっかりしてしまいました。メディアリテラシーって大切ですね。

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冒頭に書いたように頻繁にボランチが上がるクーマン式4トップ2ボランチですが、それを続けながらも試合が成り立っているのは彼の活躍が大きいと思われます。まさにコントゥンデンテなCBで、至近距離フルスイングで放たれるシュートにも臆しません。チームの為に負傷を抱えたまま45分出場するなどの根性もあり、21歳ながら味方を鼓舞する熱さは画面の外側にいるこちらにも伝播してきます。現在はまだ拙いですが、安定してビルドアップに関われるようになれば完璧です。クーマンの無茶振りに応え続けた先に、もしかすると世界最高CBへの道があるのかも?

 

 

 

 

 

15.Clement Lenglet

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1995/6/7生まれ 左利き 186cm 81kg 🇫🇷

 

顔が良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけではもちろん終わりません。左足でボールを蹴れるというだけではない、ビルドアップを担える現代型のCBです。やっぱり左利きはこうでなくてはいけない。ボールをくいっと引くような柔らかいタッチで視野とパスコースを確保し、鋭い縦パスを差し込めます。グリーズマンの裏抜けに合わせてドンピシャのパスを出し、そのままゴールへ繋げた実績もあるほどです。

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セティエン政権終焉までは定位置をがっちりキープしていましたが、クーマン政権になってからは肘打ち判定で退場、ラモスを引っ張ってPK、がっつりハンドしてPKなど手に関係するやらかしが絶えません。もちろん厳しい判定も多いですが、印象が悪いのもまた事実。手枷をつけて練習すべきかはともかく、明らかに修正するべきポイントです。ですが、現在の守備の構造が非常にCBにとって過酷なものであることは考慮するべきでしょう。特に彼のようにフィジカルに強みを持たない選手の場合は尚更です。広いスペースとカバーエリア、高さ不足によるセットプレーの責任の増加などクーマン政権になってから負担が激増しています。ピケの負傷によるプレッシャーもあってここで止めなくては、という気持ちが逸ってしまっているのではないでしょうか。この推測が正しいのかは分かりませんが、どちらにせよここで終わって良い選手ではないはずです。捲土重来に期待!

 

 

 

 

 

23.Samuel Umtiti

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1993/11/14生まれ 左利き 182cm 75kg 🇫🇷

 

実はチームで1番体格の小さいCB。木村さんの記事にもありますが、ロシアW杯まではリーガでも随一のコントゥンデンテなCBでした。ですが最近は膝の負傷絡みでいつまでもコンディションが上がらず、主にスタンドの椅子を暖めることに。個人的にはこの状態がブラジルW杯後の内田篤人を彷彿とさせると思っています。内田曰く、大きな怪我をした膝はなかなかMAXの状態まで戻らないそうなのでかなり不安。このままフェードアウトしていかなければいいのですが。

 

逆に万全の状態に戻ることができれば、一気にスタメン筆頭に躍り出る実力を持っています。アラウホが出てくるまではチームで唯一の機動力のあるCBでしたし、ボール保持を基本とするバルセロナにおいて相手の縦パスを潰しに行ける彼の能力はマストに近いものです。そこで起点を作られてしまえばカウンターに持ち込まれ、全体の位置を下げなければいけませんからね。ちなみにピッチ外では持ち前の明るい性格で、ムードメーカーのような立場にいるようです。

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28.Oscar Mingueza

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1999/5/13生まれ 右利き 184cm 75kg 🇪🇸

 

今シーズンのサプライズ②。カタルーニャに生まれ、U-7カテゴリからここまで辿り着いた由緒正しきカンテラーノです。リキプッチと同い年とは思えない、ワイルドな風貌が特徴的ですね。なんだかあの人と似ているということには触れないでおきましょう。侍っぽくていいと思います、はい。現在はバルサBに所属していますが、相次ぐCBの負傷によりトップチームでプレーすることに。足技に自信がある一方で守備には難あり、というCBらしからぬ前評判だったのでハラハラしながら見ていたんですが、ところがどっこい。つい最近まで実質3部のセグンダBにいたとは思えない落ち着いたプレーぶりを披露してくれました。

 

カンテラーノらしく足元の技術は高く、ボールを持つことを恐れない現代的なCBです。意外と足が速く、果敢に前進してカットを狙えるのも素晴らしい。反面一対一でのアタッカーへの対応は流石に追いつかないことも。しかしプリメーラ1年目の21歳と考えればかなり完成度の高い選手なのではないでしょうか。ペナルティーエリア内でのパスミスという致命的なやらかしを見せたのも、焦って蹴らずに繋ごうとトライした産物と捉えれば腹も立ちません。若手DFは寛大に見守ることが大切ですからね。SBもできるらしいので、ナチョやアスピリクエタのような万能DFとして大成して欲しいものです。

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例のあの人

 

 

 

 

 

現在の序列

さて、僕がこの記事を書いているのは12月20日のリーガ第14節バレンシア戦の後になるわけですが、現在はちょうど序列が変わり始めたタイミングと言えるかもしれません。具体的にいうと、首位を走るレアル・ソシエダとの試合を含む2試合連続でアラウホとミンゲサがスターティングイレブンに名を連ねたのです。現在負傷しているためピケがどういう立ち位置に落ち着くのか曖昧ですが、万全の状態であるはずのラングレと久方ぶりに復活してきたウンティティは先を行かれた格好になってしまいました。

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もちろん若者が活躍しているのを見るのも嬉しいことですが、かといってフランス人2人もこのままではいけません。共に左利きということもあり、どちらかはスタメンに返り咲いてほしいというのが本当のところです。CBは相性が重要なので、チアゴシウバとダビドルイスだとかセルヒオラモスとヴァランのように「このコンビなら鉄板やで」みたいな展開になることもあり得ますしね。この4選手がしのぎを削りつつ、ピケがどっしり構えるみたいな布陣が理想的だといえるでしょう。クーマンが急に3バックをやりだすことも考えにくいですし。

 

 

 

 

 

エリック・ガルシアは必要なのか

というわけで、これまでの話を総合すると、エリック・ガルシアをこの冬に獲得する必要性は薄いと思われます。CBはいちおう足りていますし、監督がどうなるのかも分からない中で選手を獲得することは控えたほうがいいです。新監督が欲しいと言った選手を手に入れるためにも、そしてそもそもクラブの経営状態を守るためにも、この冬に彼を獲得することは見送るべきでしょう。夏まで待てば€0になる選手ですし、会長選後のドタバタの中で移籍金を値切るのも難しそうですからね。

 

 

 

 

 

ここまでが僕の意見です。いかがだったでしょうか?移籍関連については人によって色々な見方があると思うので、賛成の方も反対の方もぜひ意見をいただけると嬉しいです。この選手を獲得したらいいんじゃない?みたいな発案も!よろしくお願いします!

 

 

 

 

 

この記事はここまでです。最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

 


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※レギロン