はらをのサッカーブログ

FCバルセロナを中心にサッカー関係の駄文を投稿していきます。

FCバルセロナ 私的通信簿 2020-21

いつオフシーズンに入ったと思ってんの?今まで何してたの?そう一瞬でも思ったそこのあなた。言いたいことは分かります。この記事をアップするまでにアグエロも、エメルソンもチームに加わりました。エリックガルシアも帰ってきたし、クーマンの続投も発表されました。それどころか新ユニフォームまで発表されました。

 

ですが、クーマンの続投が発表された。そこが重要なのです。彼の去就が決まるまで書くわけにはいかなかった。遅くなってしまったのはそういうことなのです。去年は書いてないしもういいかな…と葛藤していたわけではございません。ご理解いただけましたね?ついでに言っておくと、通信簿と言いつつ具体的な成績は一切書いてありませんのであしからず。

 

 

 

Goalkeepers 

1.Marc-Andre Ter Stegen

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最後尾の司令塔にして不動の守護神は負傷により出遅れ。しかしどうにもうまくチームが回らず、カンプノウでのアトレティコ戦で復活すると、その後は1試合に1回ペースでパラドンを繰り出し、ファイヤーフォーメーションで焼け野原となったDFラインの火消しを続けることに。さらにボール保持ではビルドアップが詰まった時の突破口となり、ロングボールのターゲットがいない中でグラウンダーの縦パスを何本も差し込んだ。しかしシーズン終盤には膝の負傷が再発してしまい、最終節を前にチームを離れることとなってしまう残念な結末に。今度こそしっかりと負傷を癒し、万全の砦として君臨する日を待とう。

 

 

13.Norberto Murara Neto

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シュテーゲンの負傷によってクーマンバルサの初陣を飾ったものの、序盤戦は芳しくない結果となってしまった。ただし、クーマンの4231は433のピボーテを削ってトップ下を投入したようなシステムであり、本人のシュートストップは素晴らしかったということは覚えておきたい点である。しかしビルドアップの面では拙さもあり、ピケとの連携ミスから失点した試合があわやリーグ戦ラストゲームとなってしまうところだった。最終節はクリーンシートで追われて何よりでした。来季はたぶんいない、というかこのクラスの選手をずっと座らせておくのは勿体ない。新天地での躍動に期待します。

 

 

Defenders 

2.Sergino Destf:id:harawo_cule:20210531142822j:image

アヤックスからやってきたニューカマーはまずまずの活躍を見せてくれた。狭いスペースでのプレーを苦にしない点やドリブル突破を狙う姿勢はダニエウ・アウヴェスを彷彿とさせ、バルセロニスタの希望となった。NEXTアウヴェスへの渇望は並大抵のものではないのです。しかし、スペースの認知と活用という点ではセルジロベルトに遅れを取るなど1年目の若手らしさもあり。また体格が大きいとは言えず、馬力のある相手には攻守両面で苦労する場面が多くみられた。身体作りも含めて今後が楽しみな選手である。顔はなんとなく恐竜っぽい。

 

 

3.Gerard Pique 

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ヘディングを決め、エンブレムを握り締め、カメラに向かって吠えた。今シーズン最もアイコニックなシーンと言っても過言ではないだろう。あわや敗退の危機からチームを救い、守備面でも格の違いを見せつける出色のパフォーマンスを披露するまでには多くの困難があった。あれはアトレティコとの試合だったか、不運な接触により膝に大怪我を負うことに。画面を眺めているこちらからでも「コレは駄目だ」と分かるようなシーンだった。しかし彼は諦めなかった。確実だが時間のかかる手術という選択をせず、保存療法による治療を選択。復帰後の鬼気迫る働きは引退を覚悟しているかのようで、頼もしいと同時に悲壮感さえ感じられた。シーズン唯一のタイトルを大きく引き寄せたゴールを決めたのは、その男だったのだ。あの喜びは、全てのクレの記憶に残り続けるだろう。

 

 

4.Ronald Federico Araujo

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正直なところ、バルベルデに好まれていると知った時はどうしてなのか分からなかった。それどころか、放出しても問題ないのではないかと思ってさえいた。それが間違いだったことは、彼のパフォーマンスを一度でも見たことがある人なら分かるはずである。とにかく速い。そして強い。周囲を鼓舞するエネルギーもあり、体を投げ出すことを厭わない。細かいことはできないが、それを踏まえてなお起用したくなる圧倒的な働きだった。シーズン後半には縦パスを突き刺すには至らずとも、ドライブで相手の守備をずらすことに成功するなど苦手な事に取り組む姿勢も好印象。怪我の多さだけが不満であり不安。

 

 

15.Clement Lenglet
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神の怒りを買って呪いをかけられたのか、そう思ってしまうほどに不幸なシーズンを送った。元からカードは多いほうだったが、今シーズンは謎の肘打ち判定で退場、ラモスを引っ張ったところで超常現象を発動させてPK献上、不運なオウンゴール、PSG戦でイカルディの足を踏んでPK献上と大失速。特に身体能力が高いわけではないので、ハイラインだとどうしても際どいシーンを作られてしまう。そうなると頭がいっぱいいっぱいになってしまうのか、明らかに無理目なタイミングでスライディングをかますなど判断が狂うことも時々あった。自分がここで止めなくても何とかなる、という安心感があれば普通にやれるはずなので巻き返しに期待。

 

 

18.Jordi Alba f:id:harawo_cule:20210531142322j:image
見てください、SBとは思えないアクロバティックなこのシュート。スアレスが去り際に秘訣を伝授してくれたのか、今シーズンはいくつものビューティフルゴールをゲットした。SBからWBに立ち位置が変わることでより背後を気にせずに攻め上がれるようになり、メッシとのコンビネーションは冴え渡るばかり。抗議でカードを貰いまくるところも含めて「らしさ全開」のシーズンとなった。ボールコントロールの質や攻守両面のランニングのうまさなど褒める点はたくさんあるが、欠点が分かりやすいのでそこに目が行きがちな選手。でももうちょっと闘将っぽくなってくれたら嬉しいな。

 

 

20.Sergi Roberto 

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カンテラ出身のマルチロールは、負傷ありコロナ感染ありの厳しいシーズンを送った。スペースの認知に長け、そこに入っていくタイミングも抜群。利用したい場所を敢えて空けておき、トップスピードで侵入することでパスを出す側も戸惑いがない。しかし、今シーズンは右ワイドではデストが輝きを示し、中盤ではデヨングがほぼ進化形のような働きぶり。メッシが居場所を中央に移し、相棒ラキティッチも移籍してしまったことで「彼でなければならない」と思える場面が減少してしまったのも確か。この立ち位置と年齢やサラリー、売却利益なども加味し、売却候補となっているのが現状である。とはいえチームのキャプテンの1人として、そしてアンス以前に定着した最後のカンテラーノとして、チーム内で果たしている役割は少なくないはず。減給交渉が拗れて移籍、みたいなことにはならないと予想。

 

23.Samuel Umtiti

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W杯優勝CBとしての威厳は雲散霧消。試合に出れば危なっかしいプレーが目立つ上に、シーズン序盤はそもそもコンディションが整わないこともしばしば。ラングレも安定感があったとは言えないが、そこで取って代わるどころか「それでもラングレしかいない」という事態を作り出してしまった。身体能力に優れ、前に潰しに行けるアグレッシブさはハイラインと噛み合うはずなのだが。あの時のウンティティが帰ってくる日は来るのだろうか。

 

 

24.Junior Firpo

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今年も飛躍を果たすことができず。少ない出場機会ながら得点に絡むシーンはあるのだが、本業のディフェンスやビルドアップが不安定ではどうしようもない。一か八かのシチュエーションで突っ込んでファールを貰うこともあり、このまま燻るなら放出した方が本人のためなのではなかろうか。そもそも大外レーンを上下動するタイプでもなさそう。高身長にスピードもあるという欲張り仕様なので、俺たちならうまく使えるんだというクラブがあれば是非。

 

 

28.Oscar Mingueza

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カタルーニャ生まれカタルーニャ育ち、小さな頃からバルサ一筋。されどBチームではレギュラーにはなれず、有望株として名前が上がることもない。そんな中で掴んだチャンスをミンゲサは逃さなかった。とにかく縦パスを潰せる。あれだけ前に強いと見ていて気持ちがいい。確かに、カラスコにいいようにやられていたように、明確に弱点といえるところも多い。だがしかし、しかしだ。シーズンが始まった時は誰も知らなかったような選手が、最終節を迎える頃にはレギュラーを張っている。これをロマンと言わずしてなんと言おうか。彼の姿に勇気付けられたカンテラーノは、きっと少なくないはずである。

 

 

Midfielders 

5.Sergio Busquets 

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道を見失ったときに帰ってくる場所。セルヒオ・ブスケツは、バルセロナにとってそのような存在である。思えば4231で戦っていたシーズン序盤。私たちが見ていたのは、サイドを猛然と駆け上がりクロスを供給するブスケツの姿だった。もちろんそれ以外のこともちゃんとやっていたが、それにしたってやっていいことと良くないことがある。現に、アンカーに収まってからはチームの核として完璧な仕事ぶりを見せ、なくてはならない存在へと返り咲いたのだから。つまり、バルセロナにおいてブスケツをサイドで疾走させるのは「やってはいけないこと」なのである。

 

 

8.Miralem Pjanic

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ローマは1日にしてならず。デヨングとコンビを組む2ボランチシステムで躍動したのも今は昔。いつのまにかとんと出番がなくなり、トリノへの郷愁は募るばかり。それでもバルサに残りたい、とコメントしてくれていたこともあったが、クーマンの続投が決まってしまってはもう移籍以外の道はないのではないだろうか。結局のところ、あのトレードを経て幸せになった者は誰もいないという悲しい結末になってしまいそう。

 

 

 12.Riqui Puig

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カンテラの至宝は開幕前から厳しいスタートを切ることになった。なんとクーマン直々にレンタル移籍を勧告され、その扱いは残留を決めた後も覆ることはなかった。プリメーラで安定した出場機会を得られていない中ここまで来てしまっており、このままでは変に尖った選手になってしまわないか心配である。クーマンがラポルタに何か言われたらしく、シーズン終盤になって唐突にプレータイムが急上昇した。来季はもう少し試合に出られるはず。

 

 

14.Philippe Coutinho 

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4231のトップ下を任され、来たぞ!コウチーニョの時代が!と思ったときもありました。アンスが負傷離脱し、サイドに回されたのがケチのつき始め。やっぱりウイングだとうまくいかないね、ということを再度確認したものの代わりに出す選手もおらず。そのまま怪我をしてしまってチームから離脱し、帰ってきたらペドリが中盤に君臨していた。その後はサイドで出ているうちに膝が悲鳴をあげてしまいシーズンエンド。バルセロナを去り、自らが攻撃の全権を掌握できるチームで自由を謳歌するのが一番なのではないだろうか。正直なところ、これ以上彼の浮かない顔を見続けたくないのである。

 

 

16.Pedro Gonzalez (Pedri)f:id:harawo_cule:20210531142933j:image

今となっては、誰だあいつは!クーマンのお気に入りか?と言われていたのが信じられない。そう思えるほどにチームの要となったシーズンだった。頭の回転が速く、ボールの扱いも完璧。その上守備に走り回れ、ボール奪取も余裕でこなすという化け物っぷりである。辛うじて可愛げを見いだせるとしたら、シュートを悉く外すという一点しかない。本当にそこしかない。アスパスからボールを奪い、そのままカウンターを発動させラストパスを供給する18歳。漫画の主人公にしたら「リアリティに欠ける」と炎上してしまいそうなスペックである。10年経ってもまだ28歳。僕たちはこれから10数年間、彼のプレーを楽しみ続けることができるのだ。幸運だという言葉ではとてもじゃないが言い表せない。

 

 

19.Matheus Fernandes 

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奇跡的にプレーしている写真を発見することができた。なんとなくシルエットがブスケツっぽかったことは覚えている。とにかくからっからになるまで干され続け、招集リストに入っていないこともしばしば。ここまでくると、クーマンが呼ぶかどうかを花占いか何かで決めていてもそこまでの驚きはない。来季はいないと思うのだが、いかんせん稼働していなさすぎてオファーが来るかも不明。キャリアに空白の2年間を作るのは勘弁してあげてください。

 

 

21.Frenkie De Jong 

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俺がお前を一番上手く使えるんだ!とばかりにダブルボランチの一角を託されるも、狭いスペースでは持ち前の推進力を発揮できずあえなく失敗。右のインテリオールで縦に大きくスライドし続ける形を見つけてからは、ボールの有無を問わずダイナミックさを存分に発揮してチームに欠かせない選手となった。メッシが開けたスペースに突撃し、ブスケツがいなくなればピボーテを務め、ピケがいないときにはCBもやってしまう万能ぶり。アヤックスさん、あと2,3人ぐらい隠してたりしませんか?バルサでは少ない無理が効く選手という意味でも欠かせない存在。

 

 

6.Carles Alena

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バルセロナの6番と聞いて、思い浮かぶのはやはりシャビの姿。そんな背番号を背負い、ベテランたちも退団し、いまこそチャンスを掴むときだ!と思っていたかは定かではないが、まさかヘタフェにレンタルされるとは。バルセロナではなかなか出番がなく、たまに出て良いパフォーマンスを披露しても待遇が改善されることはなかった。ならばとレンタル移籍を希望し、心機一転のはずだったヘタフェでもボルダラスの熱血闘魂サッカーを前にレギュラー獲得には至らず。バルサで成功してほしいのは変わらないが、クーマンの続投が決定した以上は難しいのかもしれない。 

 

 

27.Ilaix Moriba

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将来を嘱望されていた逸材はクーマンの心を掴み、シーズンの後半はインテリオールの3番手として途中出場を重ねた。恵まれた体格とそれに見合うだけの強度がお気に召したのだろうか。魔法の杖こそ持っていないが、物怖じせず周囲を見渡しながらボールを扱う姿勢は流石ラ・マシア出身といったところ。遠目からでもシュートを狙う積極性もあり、早くもトップチームで初ゴールを記録。このまま主力選手に成長していくために、これからも経験を積んでいくことになるだろう。そこで交代するのが同い年のペドリだということに認識を狂わされそうになるが、彼らはまだ18歳の若者なのである。使い潰すようなことはしたくない。

 

 

Forwards 

7.Antoine Griezmann 

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シュート以外の動きは完璧。シーズン序盤のグリーズマンはそんな感じだった。右サイドで孤立しながらも走り回り、守備では広いスペースを埋め、トップにいるメッシが降りればそのスペースに飛び込む。シュートチャンスまでは素晴らしいのに、何故かゴールにボールを入れられない時間が続いた。しかし、広い範囲を動き回れるようになってからは水を得た魚のように躍動し、崩しにも効果的に絡むことができるように。コパデルレイ準々決勝のグラナダ戦、2点ビハインドからゴールとアシストでチームを救い、最終的に4点に絡む大活躍を見せてくれたことは忘れられない。チームの歯車となりつつゴラッソも決められるのが素晴らしいのだが、メッシがいない方が輝くのもまた事実なのが難しいところではある。

 

 

9.Martin Braithwaite 

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スアレスの背番号9を引き継ぐのがこの男だということを、いったい誰が予想できただろうか。試合に出ようが出まいが文句を言わず、常にプロフェッショナルとして振る舞う姿は若手が多いこのチームにとってプラスになったはず。前線で体を張れるストライカーが彼以外におらず、攻撃の目先を変えるためにも役立つ存在だった。実はコパデルレイ準決勝、セビージャとの2ndレグで勝負を決めたのはこの人のゴールである。今シーズンは念願だったチャンピオンズリーグの舞台に立つことができたのだが、実はCLアウェイのゴール数ではバルサ時代のスアレスを上回ったという噂も。アグエロが来たことで残留の可能性は激減したが、応援したくなるいい選手だったことは覚えておきたい。

 

 

10.Lionel Messi 

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メッシは神ではなく人間だった。突如として叩きつけられた離縁状は、それを知るきっかけとなるにはあまりに十分すぎた。世界最高のサッカー選手がチームにいること。毎週彼のプレーを楽しみにできること。俺たちのエースは最強なんだと誇り、共に栄光を掴む日の再来を信じて疑わなかった人々にとって、その知らせは絶望そのものだった。メッシがピッチの向こう側に立つことを、自分たちと違う色のシャツをその身に纏うことを、そんなのゲームの中だけだと笑い飛ばすことはもうできない。この1年間を彼がバルセロナで過ごしたのは、本当に奇跡のような出来事だったのだから。バルセロナに残ってくれたこと。相変わらずの異次元なプレーでチームを引っ張ってくれたこと。トロフィーを掲げる姿を見られたこと。その全てが得難い幸福だということを、知らない者はもういない。そんなシーズンでさえ、彼は数々の名場面を創造し、新たな発見を与えてくれた。その中でもとびきり重要なものはきっとこれだろう。メッシは神ではなく1人の人間で、誰よりもバルセロナを愛している。

 

 

11.Ousmane Dembele f:id:harawo_cule:20210531171028j:image

今年のデンベレは一味違う。その謳い文句に何度騙されたことか。それはもはやテンプレートを超え、毎年の風物詩ですらある。余りある才気も発揮できなければ全くの無意味。だがしかし、今回こそはもう言ってもいいのではないだろうか。「今年のデンベレは一味違った」と。44試合に出場し、プレータイムは2700分ほど。大きな負傷は12月にハムストリングを痛めたぐらい。突如として守備のためにプレスバックを行うようになり、セビージャとの連戦ではCF起用で結果を出した。求められたことを愚直にこなす姿は、フィーリングでプレーしているように見えたこれまでとは違うものだった。とはいえ、4シーズン目にしてそこを褒めるというのは少し悲しいものがある。昇給しろというのはちょっと無理な話。 

 

 

17.Francisco Trincao f:id:harawo_cule:20210531171058j:image

クーマンは彼を相当気に入っていたはず。14節までは全ての試合に送り出され、初年度ながら42試合に出場。しかし、惜しいシュートを何度も放つもののネットを揺らすことができず、初ゴールは22節のベティス戦までお預けとなった。試合終了間際に突き刺した決勝弾はその週のベストゴールにも選ばれ、次節アラベス戦でも2得点。ここから上昇気流に乗れれば、という流れだったのだが、3バックへの変更によりとんと出番がなくなった。恵まれた体躯を生かしてアグレッシブに動き回れるようになればかなり良くなるはず。レンタルで逞しくなって帰ってくるのが1番かも。

 

 

22.Anssumane Fatif:id:harawo_cule:20210612010426j:image

開幕から主力として活躍した新星は、10試合で5得点4アシストと上々のスタートを切った。クラシコでもチーム唯一のゴールを記録し、これは両方とも2桁に乗せてくるな、とワクワクしていたのは自分だけではなかったはず。その希望が打ち砕かれたのは9節のベティス戦。背後からスライディングタックルを受け、倒れ込んだアンスの状態を確認したスタッフはプレー続行が可能だと判断。実際にそれから15分ほどプレーを続け、ハーフタイムにメッシと交代。それが今シーズンのラストマッチとなってしまった。なかなか回復が進まずやきもきしたが、プレシーズンには復帰できそうという報道が。復活が楽しみで仕方がない。

 

 

Coaching Staff 

 Ronald Koeman f:id:harawo_cule:20210531171247j:image

完膚なきまでに打ちのめされ、おまけに主力選手を何人も放出したバルセロナ。そのチームを率いるのは並大抵のことではなかっただろう。4231はアンスの負傷とともに機能しなくなり、無冠どころかCL出場権を心配した時期もあった。クラシコでは破れかぶれというほかないバンザイアタックを繰り出し、その後も「勝つべき所で勝てない」という呪いは続いた。それでも、ペドリを筆頭に若手選手を躊躇なく抜擢し、チームの土台を築きながら戦ってきた功績は賞賛されて然るべきだろう。そして、いくつもの窮地を乗り越えて掴み取ったコパデルレイのタイトル。劇的な逆転劇、一度敗れた相手へのリベンジ。チームの進撃は痛快な冒険譚となり、その終わりには歓喜の瞬間が待っていた。たかがカップ戦だと言われようとも、あのトロフィーを掲げたときの喜びは紛れもなく本物だった。終わりよければ全て良し、というわけにはいかなかったが、彼にできることは全てやってくれたのではないだろうか。続投が決定するまでの過程は決して良いものではなかったが、決まったからには応援するのみである。