はらをのサッカーブログ

FCバルセロナを中心にサッカー関係の駄文を投稿していきます。

バルサのDNAとカンテラ至上主義

バルセロナのDNA」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

 

「彼はバルサのDNAを持っている」みたいな使われ方をするアレです。特にシャビが多用する言葉ですね。僕たちファンの間でもよく使われているように思います。

 

では、果たして「バルサのDNA」とは一体なんなのでしょう?それを持つカンテラーノを起用する意味は何なのでしょうか?

 

DNAとは何か

そもそもDNAとは何なのか、そこから考えていきましょう。DNAとは、デオキシリボ核酸の略称です。遺伝子の中に含まれており、アデニン、グアニン、シトシン、チミンという4つの塩基がいくつも組み合わさって二重螺旋構造を取っています。

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では、DNAは何のために存在しているのでしょう。それはズバリ、情報を保存、継承するためです。DNAのもつ情報に基づいて私たちの体は作られています。DNAは生命の設計図であり、この情報が親から子へ受け継がれていきます。

 

これだけだとバルセロナとリンクする気配がありませんね。もう少し簡潔にまとめてみましょう。

 

DNAは、生物を構成するための「決まり」が集まったもの、ということにします。こうであればこうしよう、ここはこうするべきだ、という様々な規則が凝縮されたものです。ここではそういう事にしておきましょう。

 

生命体バルセロナ

さて、ではバルセロナにとってのDNAとは何なのでしょうか。DNAを持っているからには生物として考えなければいけません。チームを1つの生命体として捉えるのです。

 

バルサの心臓は誰か?ブスケツですね。これは簡単ですね。頭脳はチームの全てを統括、指揮しているメッシです。この2人が中心となり、手足として選手たちを統率するわけです。

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では、バルセロナのDNAとは何なのか。それは「決まり」です。幼少期からラ・マシアで教え込まれてきた数々の規則。この位置でボールを受ければどうすべきか。ここでこのポジションの選手からパスを引き出すにはどうすれば良いか。どうやって相手ゴールに迫るべきなのか。その全てを蓄積したものが「バルサのDNA」だと言えるでしょう。

 

では、チームにおいてDNAを持つ選手はどこにいるのか?重要な箇所にいればそれで良いのか?いえいえ、そんなことはありません。感覚の違う選手がいればその部分はうまく働きませんし、最悪の場合は拒否反応を起こして機能不全に陥ります。チーム全体が同じ決まりごとを共有していなければ、まとまった動きを見せることはできません。

 

バルセロナにおいて、数々の名選手たちが輝きを放てずにクラブを去る理由がここにあります。突然変異で同じDNAを持つことなんてそうそうありません。当然、時間をかけて適合させていくことになります。それでも適応できるかは分かりませんし、大金をかけて獲得した選手にはそもそもその時間すら与えられないこともあります。

 

カンテラ至上主義

ここに、バルセロナカンテラ出身の選手を重視するべき理由があります。

 

カンテラーノは多くの場合、幼い頃からバルセロナの下部組織でプレーをしています。当然、彼らの頭にはプレーする上での規則が染みついているわけです。メッシのプレーに共鳴し、お互いを生かすことができるプレーヤーがカンテラーノばかりなのは偶然ではありません。彼らは、幼い頃から同じ決まりごとの中でボールを蹴っているのですから。

 

確かに、外からやってきても同じ感覚を持てる選手は存在します。現在のチームではスアレスが該当しますね。MSNはまるで兄弟のようにお互いのことを理解しあっていました。

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ですが、その陰には幾人ものバルセロナを去ったプレイヤーがいます。次のスアレスが、ネイマールが発見されるのは何年後なのでしょう?それまでにどれだけの金額が露と消えるのでしょう?そしてその費用を賄うために、何人のカンテラーノが放出されるのでしょう?宝くじを買って高額当選を狙うために、手元にある金の卵を売り払っていては意味がありません。

 

そして、バルセロナが適応しにくい環境だということは、対策がしにくいということでもあります。どんな名手でも共鳴できない可能性がある独特のリズムは、対峙する相手から見ても対応しにくいものであるはずです。それを突き詰めたのがグアルディオラであり、彼の作り上げた、1つの生命体のように連動する芸術的なチームなのです。

 

まとめ

これが僕がカンテラを重視すべきだと感じる理由です。世界最高の育成組織を持っておきながら、彼らを売り飛ばして大スターを並べるなんて愚の骨頂。スター軍団はウイニングイレブンの中だけで充分です。カンテラを中心にチームを構築し直し、足りないところを補強で補う。それがあるべきこのチームの姿であるはずです。外から獲得してくる選手は、文字通りチームを「補強」する存在なのですから。

 

いまはまだ無理かもしれません。しかし、例えばシャビが監督に就任した時。例えばイニエスタがクラブに帰還した時。そのような美しい、理想を追い求めるバルセロナが見られることを信じています。

 

 

 

 

 

カンテラーノの扱いについては、皆さんいろんな意見があることと思います。是非意見を聞かせてください!お待ちしております!

 

これでこの記事は終わりです。最後までお読みいただきありがとうございました。